徴収漏れに注意しましょう
従業員への
・通勤定期券
・自社の商品・製品の値引販売
・食事、社宅の提供
などは現物給与になります。
ただし、現物給与には図表のように非課税とされるものもあります。
このように現物給与は、実務的にも複雑で、誤解や誤りも多く、源泉徴収を対象にした
税務調査でもよくチェックされるところです。

源泉徴収漏れを指摘されると、従業員から源泉徴収の不足分を改めて徴収しなければなりません。十分に注意しましょう。
<主な現物給与で非課税になるもの>
通勤定期券 |
1か月当たり10万円まで |
永年勤続者への記念品 |
概ね10年以上の勤続者を対象にしたもので、2回以上表彰を受ける人は、概ね5年以上の間隔が開いていること |
創業記念品等 |
その処分見込額が10,000円以下であること |
食事の支給 |
従業員が食事価額の1/2以上を負担し、負担額が月額3,500円以下 |
残業、宿日直時の食事 |
通常の勤務時間外における残業、宿日直者に対して支給する食事 |
深夜勤務者の夜食代補助 |
深夜勤務者の夜食代(金銭)で勤務1回につき300円以下のもの |
祝いの金品、見舞金等 |
社会通念上相当なもの |
商品・製品の値引販売 |
取得価額以上で、かつ通常の販売価額の概ね70%以上の価額 |
宿日直料 |
勤務1回につき4,000円(食事が支給される場合はその価額を控除した残額) |
貸与住宅 |
家賃相当額で一定の要件に該当するもの |
災害等による生活資金の無利子貸付け |
災害等により従業員へ臨時に多額の生活資金を無利子で貸付けた場合、その利息相当額 |
レクリエーション費用の負担 |
社会通念上一般に行われるレクリエーション費用(任意の不参加者への金銭支給や役員だけを対象とする場合を除きます) |
社会保険料算定の際も現物給与を合算
厚生年金保険および健康保険の保険料算定の基礎となる
標準報酬月額を求める際、現物給与と金銭によるものの合算が必要な場合があるので注意しましょう。
この場合の現物給与の価額は、
・食事や住宅については厚生労働大臣の定める金額(注1)
・自社商品・製品については、原則として時価で換算します。
(注1)平成27年4月から、厚生労働大臣が定める「食事で支払われる報酬等」の価額が改定されています。
→詳しくはこちら
Q&A
Q1.H27年4月から、改正価額が適用されるが、4月の給与の締日が月の途中だった場合、現物給与価額はどのようにして計算するか。
A 現物給与については、給与の締日を考慮しないで、4/1〜4/30までの1か月分の報酬として計算し、4月中に支給された給与と合算します。
Q2.勤務地と社宅が違う県にある場合、現物給与の価額はどちらの県の価額により計算するのか。
A 勤務地のある県の価額で計算します。
※被保険者の人事・労務・給与が管理されている事業所が存在する県で算定することになるためです。
Q3.住宅による現物給与の場合、月途中に入居した場合でも、1か月分の価額で計算しなければならないのか。
A 日割り計算を行います。
<計算方法> 1か月分に相当する現物給与価額 × 入居日からの日数 ÷ その月の総日数
Q4.住宅による現物給与の場合、台所やトイレの広さを含めて計算するのか。
A 含めずに計算します。
※他にも玄関、浴室、廊下なども計算に含めません。価額の算定には、居間、茶の間、寝室、客間、書斎、仏間など居住用の室を対象としま
す。
また、店、事務室、旅館の客室などの営業用の室は含めません。
Q5.本店と支店等が一つの適用事業所になっている場合(人事・労務・給与を本店がまとめて管理している場合)は、本社と支店等のどちらの地域の価額で計算するのか。
A それぞれの勤務地による価額で計算します。
※通常は、被保険者の人事・労務・給与を管理している事業所が存在する地域の価額により算定しますが、現物給与の価額は、生活の実態に合った
価額になることが望ましいことから、本社・支店等それぞれが存在する地域の価額により計算します。また、派遣労働者は実際の勤務地ではなく、
派遣元の事業所が存在する県の価額で計算します。
Q6.永年勤続者で、勤続年数が25年に達した者に対して、二泊三日の旅行相当(10万円程度)を支払った場合、課税されるか。
(この永年勤続者に対しては1回目の支給)
A 課税されません。
※概ね10年以上の勤続年数の者で2回以上の表彰を受ける者について、概ね5年以上の間隔をあけて行った場合、かつ、勤続期間に照らし、社会通念
上相当と認められる金額であるため課税されません。
ただし、金銭で支給した場合や同一の永年勤続者につき均一に行われていない場合には、すべて給与課税となります。
Q7.永年勤続者で、勤続年数が25年に達した者に対して、10万円相当の旅行クーポン券を支給した場合、課税されるか。
A 課税対象になります。
※換金できる旅行クーポン券の場合、実際には金銭の給付があったことと変わらないので、原則として券面額相当の支給があったものとして扱われま
す。